*** 乗り物編・その2 ***




5/18(火)
きょうも早起きをして、ホテル前の海岸をお散歩しました。毎日いい天気が続き、気分最高です。きょうはこの旅行の中でもハイライトの一日です、モナコまでの切符を買い、駅のホームで待ちます。ちょっと緊張してきました。ヴェンティミリアを出れば、もうフランスです。初のSNCF(フランス国鉄)と思ったら、入ってきた電車は昨日も乗ったTrenItalia(イタリア国鉄)でした、な〜〜んだ。国境を越えるとき何かあるのかと思ったけど、なにもなくフランス側の最初の駅、マントンに着きました。

今回の旅行計画を考えたとき、一番悩んだのが、フィレンチェ→エクス間(今回の旅行の主目的地はこの2都市です)の移動です。一日中電車に乗れば、なんとかいけない距離ではないのですが、それじゃおもしろくありません。いろいろ調べてみたら、ここら辺を通過する日は、カンヌ映画祭開催中、モナコGP開催直前、だということがわかりました。これで計画が決まりましたね、モナコGPのコースを車で走りたい!そのためにはとちゅうで1泊が必要。最初の宿泊候補地はマントンでした。でもカンヌ・モナコに近いときっと混むだろうし、値段も高くなるかなってことで、伊仏国境のイタリア側、ヴェンティミリアにしたわけです。ヴェンティミリアは国境の町だけに、いろんな人々が集まり、少し危険な町だと聞きました、ぼくはまったくそんな感じはしませんでしたが・・・。





さあ、次がモナコです、おりる支度をしてたら、あっというまに到着。すごく近代的なかっこいいトンネル駅です。あれっ、英語表記がありません、やっとイタリア語の「出口」を覚えたのに、フランス語でなんというのかわかりません。とりあえず、階段をおりてみましょう、なんかここ工事中ですね。別の出口にいくと、ここは外で広いデッキにになっています、下にいけそうな階段がありますので、降りていきます。キャリーケースをもってえっちらおっちら、けっこう急で長い階段を、荷物をもっての移動はたいへんです。

しかし今はこれから始まる冒険に胸がドキドキしていますので、それほど苦にはなりません。下まで降りきると、タイヤの山!おーGPモードですねー、興奮が高まります。やっと街中にきました、さてと、ちょうどお巡りさんが通りかかりました、「ハーツレンタカーはどこですか?」英語で聞きますが、「はっ!?」っていうかんじです。ぼくは発音が悪いのかなと思い、ハーツの書類を見せます。どうやら、ハーツはわかっていてくれたらしいのですが、場所が思い出せないらしい、しばらく考えたあげく、手をポンとたたいて、教えてくれました。

"Can I drive along the F1GP course ?"

"Of course, you can."

ハーツの係員は、さらに、にこっと笑いながら "Not too fast !" と付け加えのを忘れませんでした。

"Here's your car. Have a good travel !"

5分ほど待たされて、いよいよ車を渡されました。さー、いよいよ海外初運転です。これからいよいよモナコF1GPコースを走りますが、この詳細はもうしばらくお待ちください。ナビがいませんので、写真を撮るのがきびしいのですが、渋滞中にパチリと撮った1枚が下の写真です。





コース上

渋滞してます

ここはシケインのそばです

・・・多分・・・


ヒヤヒヤ・ハラハラのあと、あのヘアピンを下りきって、右に折れればトンネル、の交差点を、左Mentonの標識に従って左折します。さあ、フランスに入りましたから、コルビュジェツアーも開始です。

今日はその第一弾、カップマルタンの休暇小屋にこれから向かいます。以前ある雑誌で、この小屋のことを知って以来、ず〜っと行きたかった場所の一つです。事前にいろいろ調べましたが、正確な位置がわからないので、たどりつくまでに、とても苦労しました。途中で、もうギブアップしようかなって何度も思いました。でもここまで来て、次のチャンスはいつくるかわからないんだぞ!自分に言い聞かせて、粘りに粘りました。

ありましたよー、岬のなかほどにひっそりとその小屋は佇んでいました。ここは自分なりの目的があって、どうしても来たかった場所なので、とてもとても、言葉では言い尽くせないくらいうれしかったです。 下の写真は、カップマルタンの小さな入り江で、感動にひたりながら撮った1枚です。


ここで1時間ほど

お昼寝しました

素敵な素敵なところです







もうきょうは十分すぎるほど満足です。

まだまだ見たい、寄りたい場所は山ほどありますが(なんといってもコートダジュールですから!)、

あとの予定はすべてキャンセルです。こんな感動のあとでは、なにものも色あせて見えてしまうでしょうから・・・。

ず〜〜っと、ず〜〜っと、ここにいたかったカップマルタンをあとにして、一路エクサンプロバンスを目指します。







すっかり忘れてましたよ

お昼ご飯

高速道路のSAに入りましょう



ちょっと休憩です

きれいに手入れしてますね







高速は海沿いでなく

少し内陸を通っています



残り100Kmをきってますから

あと1時間くらいで

エクス到着予定!



エクサンプロバンス

わくちゃんち前

とうちゃ〜く!!






レンタカーは、日本のハーツで予約していきました。モナコで借りてエクスで返却ですから、最初は、乗り捨て料とかも含めて、料金はかなり高いのかなと思っていました。まあだめなら、 モナコGPのコースはタクシーでまわってもいいか、とも考えました。調べてみると、JCBカードの割引もあって1日借りて50ユーロ程度、しかも乗り捨て料は必要なし!意外と安いことがわかり、借りることにしたわけです。海外での運転は初めてなので、右側通行とか慣れなくて少し怖かったけど、無事にエクスまで着きました。ハラハラ・ドキドキでしたが、とっても楽しい体験ができました。

国際免許証には、A(二輪車)・B(普通車)・C(大型貨物)・D(バス)・E(牽引)と運転できる車の種類にスタンプを押す欄があります。国際免許証を発行してもらう時に、すべての欄にスタンプを押したのは初めてだよ、といわれました。今度は外国でバスを運転してみましょうか。




エクスのバスターミナル

マルセイユ行きのバスは

頻繁にでています






エクス・バスターミナル

⇔エクスTGV駅

⇔マルセイユ空港を結ぶバス





5/19(水)
実は、わくちゃんちには車がないものと、思いこんでいました。ですから、エクスでの移動は、バスなどでと考えていました。ところがあったんですねー、とびっきりの運転手さんまでついて!もちろんこの運転手さんは、旦那様のアレックス君。ドライブ好きで、けっこう飛ばしやさんです、運転もとても上手です。




今アレックス君の運転で

エクスから北東へ向かう

高速をぶっ飛ばしてます!



高速道路を降りて

田舎道に

入ってきました






今日の目的地は

ムスティエ・サント・マリーと

ヴェルドン渓谷







5/20(木)
昨日のヴェルドン渓谷、さすがにグランドキャニオンというだけあって、素晴らしい渓谷美を堪能しました。帰りがけちょっと疲れて、車の中でぐっすり寝てしまいました。家に帰ってきてから、少し横になりウトウトしました。これで再び元気回復、夜は夜でひょんなことから、アラビアンな夜を楽しませていただきました。

これからマルセイユに行きます。きょうの目玉はブイヤベースということになっていますが、さていかがなりますでしょうか?なんとアレックス君のご両親は、現在マルセイユに住んでいらっしゃるので、彼はしょっちゅうエクスと往復しているのだそうです。というわけで、エクスの家を出てから、高速を飛ばし、ものの30分もしないうちに、マルセイユ到着です。




マルセイユは港町です

クレーンがたくさんあります





大きな客船もいます

イメージはちょっと横浜?



旧港付近

きもちいぃ












かわいいでしょ!

うしろに、客車を引きつれてます

市内観光いかがですか?







5/21(金)
マルセイユ観光、またまた感動の一日でした。こんなに毎日天気に恵まれ、こんなに毎日感動に出会え、こんなにも素晴らしい旅行は、初めてといってもいいくらいです。葉ちゃん、わく、アレックス君、武田さんご夫妻、そして出会った皆さんに感謝です。

この旅行中ずっと朝早起きをして、お散歩しました。もちろん今朝もいってきました、空気が澄んでて、人混みにもまれることもなく、気持ちいいです。アレックス君、きょうはマルセイユの実家で、大工仕事のお手伝いということで、出かけていきました。こないだ、ここのマンションの壁も自分で塗ったそうです、まだテラスにローラー刷毛がおいてあります。もちろん本職はパティシエなんですが、器用なんですね。ぼくとわくは、これから素敵なカフェに朝食を食べにいってきま〜〜す。


エクスの在来線の駅

TGVの駅は

エクスの郊外にあります







ジーゼル機関車ですね

在来線とTGVの駅は

電車で行き来できません







この車何だかわかります?

エクス東急自動車学校です

並列駐車はいけませんよ!










5/22(土)
最後の朝です。今日もいい天気です、これからTGVに乗ってパリまでいきます。

普通この乗車券は日本で手配すると、10,000円以上するのですが、ぼくはこれをなんと25ユーロ(=3,000円ちょっと)で入手しました。えっ、どうやったのか教えてほしいですか?いーですよ、簡単にいえば、SNCFのサイトで特割の乗車券を、ゲットしたということです。わくから、

「こっちでTGVの切符買ってあげますよー、どの電車にするかメール下さい。」

と事前に言われていたので、SNCFのサイトで、時刻表を調べていたんですよ。フランス語ですから、意味わからん状態でボタンをクリックすると、どうやらそれは購入ボタンだったらしく、そこに「正規料金70ユーロ/早割50ユーロ/特割25ユーロ」(料金の名前はぼくの独断です!)って表示されたんです。しかも特割は「残数わずか、急げ!」という表示つきでね。





これは買っちゃうしかないでしょ。しかし日本から買えるのだろうかと、調べてみると、案の定切符は指定された国(日本はナシ)のみ郵送可とあります。まてよ、わくの住所に郵送(さらにフランス国内は郵送料タダ!)してもらえばいいじゃん!

よし、と思ったのもつかの間、支払いはどーするの?ぼくのカードでおっけーだろうか?まあ、やってみよう。フォームに必要事項を入力しては、どんどん次のページに進んでいきます。おー、最後までいきましたよー。

あわてて、わくにメールします。今これこれでTGVの切符とれたから、確認メールとそのうち切符届くからねー、よろしく!大成功でしたね。このことを航空券を発注した旅行会社の方に話したら、「その値段はすごいです!やはり現地の情報は大切ですね。」とお褒めの言葉をいただきました。もちろん、現地に住んでいる友人等がいないとできないことですが、ぼくの旅はこんなことまで楽しみにしてしまいます。

エクスTGV駅6時43分発と、朝早かったのですが、アレックス君が車で送ってくれました。エクス市内から車をとばして15分くらいで着きました。在来線の駅とちがって、えらくカッコイイ駅です。駅の売店で車内の朝食用に、バケットサンドを買いました。






最終日も天気は良さそうです

ホームで電車を待ちます







すべるように

ホームを離れるTGV

なかなか快適です



早朝のせいか

ガラガラの車内

2階建てのロウワーデッキ







こんな景色が

ず〜っと続きます

SNCFさん、窓磨きましょうよ!







パリ到着

750Kmを3時間

はやっ!







パリ・リヨン駅に着きました。電車から降りたとたん、「寒いっ!」ていうのが第一声でした。ずっと暖かかったので、急に気温が下がった感じがします。やはりパリはだいぶ北にあるようです。実はフィレンチェも、エクスもぼくが来るまでは、しばらく天気が悪かったそうです。葉ちゃんとわくが口をそろえて、「ほんとにいい気候のときに来て、ラッキーでしたね。」と言っていたのが印象的でした。二人から直前のメールで「けっこう寒いよ。」とあったので、長袖とその上に羽織るものを中心に、持ってきましたが、半袖で十分なくらいでしたね。

リヨン駅のホームを歩きながら、「あー、あの花の都、パリにいるんだー」なんか感動的でした、へんですかね?着いたのが午前10時ちょっと前、シャルル・ドゴール空港発が夜の9時50分ですから、ちょうど12時間のパリ滞在です。 パリでの主な目的地は2つ。サヴォア邸とエッフェル塔です。先にサヴォア邸に行く予定です。リヨン駅で「パリ・ビジット」という1日乗車券を購入します。ちょっと郊外まで行くので、1−5zone乗車可能の1日券を買いました、これで地下鉄も郊外線も乗り放題になります。パリの地下鉄はスリとか多いから気をつけてね、と皆から言われてきましたが、それらしいやからは見かけませんでした。黒人の若い女性が3人、一列縦隊でピッタリくっつき、改札口を通過するのを目撃しました。なるほど、こーやって無賃乗車するのですね。





パリの

1日乗車券

便利・安い!



RER-A線(田園都市線)に乗り、終点のポワシー(中央林間)まできました。駅の売店で、コインロッカーの場所を尋ねますが、ないそうです。インフォメーションにいって、荷物を預かってくれるところはないかと聞くと、いーよここで預かってあげようと言ってくれました。ありがとうございます、イタリアもフランスも親切な人が多いです。身軽になったので、天気もいいし、お散歩がてら歩いていきましょうか。明るい日差しが差し込む中、サヴォア邸をじっくり見学してきました。素晴らしい邸宅です。これで3カ所のコルビュジェツアーもしめくくり、パリ市内にもどります。


凱旋門を見て

シャンゼリゼ通りをお散歩し

地下鉄にも乗りました



車輪がタイヤなんですね







ポルト・ドーフィーヌ駅手前の車内

一つ前の駅で、

乗客が全員おりてしまい

ぼくの車両、乗客がいません

ちょっと恐かったです











トロカデロ広場

そこの角を曲がれば

エッフェル塔が

見えるはずです




エッフェル塔で今回の旅は終わりにしよう、と出発前から決めていました。まだ飛行機の時間には早いので、快晴の空のもと、シャイヨー宮からの美しい眺めに見とれていました。言葉では言い尽くせないほど楽しかった、今回の旅を振り返りながら・・・。

さて、そろそろ帰りましょうか。地下鉄と郊外線を乗り継いで、シャルル・ドゴール空港に向かいます。そういえば、きょうはあまりちゃんとした食事をしていません。エクスTGV駅で買ったバケットサンド、昼過ぎにシャンゼリゼ通りのラデュレで買ったケーキ2個だけです。あー、おなかすいた。。。空港でなにか食べようとカフェに向かいます。あれっ向こうから来るの武田さんご夫妻じゃないですか?ローマで別れて以来一週間ぶりの再会です。「楽しかったですかー?」「えぇ、とっても。」お互いに、この一週間の旅の話に花が咲きます。彼らはローマ3泊、フィレンチェ3泊、夜行列車泊1泊、パリ1泊だったそうです。よかったですね、楽しい新婚旅行ができて。

帰りも Korean Air さんよろしくね。今回の旅は航空券の確保から始まりました。最初はエクス(マルセイユ空港)から入り、フィレンチェから帰る(またはその逆コース)を検索していたのですが、 どうもメジャーな空港でないらしく、チケットも少ない、かつ高い。なるほど、これは一昨年 旭川に椅子展を見にいったとき、旭川便は高いけど、札幌便は安いのと同じことなのだろうと考えました。 そこでたくさん飛んでいる、パリとローマorミラノで探したら Korean Air がヒットしたわけです。仁川乗り継ぎという不便さはありますが、なかなか快適なフライトでした。スチュワーデスさんが韓国人なのか、日本人なのかわからない(何語で話しかけたらいいの)という難点??はありますが、機内食も合格点だし、ぼくは十分満足しました。帰りのビビンバ、おいしかったー!ごちそうさまでした。


シャルル・ドゴール空港

ターミナル2E

かっこいいでしょ!








帰国してビックリ!

[パリ 23日 ロイター] フランスのパリ郊外にあるシャルル・ドゴール空港で23日午前7時前(日本時間同午後3時前)、新しいターミナルの屋根が崩落したが、この事故では少なくとも5人が死亡したという。

まさにぼくらが待っていたのが、ターミナル2Eです。わずか9時間差で命拾いをしました。
自宅用に買ったパン屋のかわいいお姉さん、"Singaporean?"とぼくに尋ねた、カフェのお兄さん、そして "Where can I smoke?" と聞いたぼくに、ニコッと笑いながら "Outside" と答えてくれた、エアーフランスの素敵なマドモアゼル、大丈夫でしたか?

エクスTGV駅や、北京で現在建設中の「国家大劇院」も同じ人の設計だそうで、その安全性が問い直されているそうです。


back