Hans J Wegner (1914-, Danmark) |
PP550 Peacock,1947 |
Ash frame with teak or ash armrests, woven paper cord seat |
This design is one of a score of reinterpretations of the traditional "Windsor" chair by Wegner. Its title was derived from the chair's slatted fan-back which brings to mind the tail feathers of a peacock. ( PP Møbler ) |
ハンス・J・ウェグナー、「椅子の神様」といわれています。 ぼくは、そうは思いません。 彼は木工職人です、それも素晴らしい腕と才能を持った・・・、けっして神様ではないと思います。 彼の椅子にはいろいろな名前がつけられています。 どれも彼自身が名付けたものではありません。 それほど彼の作品が鮮烈な印象を人々に与えるからでしょう。 この椅子はピーコックチェアと呼ばれています。 背の少し幅広になっている部分が、孔雀の羽をイメージさせます。 しかし、けっして孔雀の羽をイメージして、デザインしたわけではないのです。 ちょうど肩甲骨がそこに当たるという、機能的な要求がその形を必要としたのです。 この椅子は彼なりの、 ウインザーチェア の新しい解釈なのです。 機能とデザイン、どちらを優先し、またそれらをどう調和させるか、 あらゆるデザイナーが考えることでしょう。 彼はそれを最も有機的に、そして実践的に融合させた職人ではないでしょうか。 彼は機能優先でもなければ、デザイン優先でもない。 スケッチをもとに1/5スケールの模型を作り、さらに原寸模型で実際の座り心地を確かめ、 木と向かい合いながら一つの椅子を完成させていく。 彼は建築家でもありませんし、単なるデザイナーでもありません、たいへん優れた "carpenter" なのです。 自分でノミを握って材を削り、一本一本座を編み込んでいく、きっと、ひとつひとつの工程を楽しみながら。 ・・・そうして、彼の椅子になる・・・ぼくはこのように理解しています。 "A piece of furniture should never have a back. It must cohere." "I always try to use the right sort of wood in the necessary amounts." ・・・ウェグナーの美しい椅子たち・・・たっぷりお楽しみください。 |