Samuel Gragg
(1772-1855,USA)

Chair,c,1808
Bent ash and hickory
construction with
painted decoration
Predating Thonet's research
into the bending of solid
wood by some 40 years,
Gragg received the first
of several patents in 1808
for his revolutionary bent
wood chairs. Described by him
as "elastic", these solid wood
designs afforded more comfort
than traditional seating.

( © 2000 Museum of Fine Arts, Boston )






農夫の息子としてニューハンプシャー州に生まれ、車大工(自動車ではありません馬車です)としての修行をつんだ Samuel Gragg は1800年に家具製造会社を設立し、1808年に曲木椅子の特許をとりました。なんとトーネットの曲木椅子よりも40年も前の話です。ところが彼がどのようにして材を曲げたのかは謎につつまれています。というのも、1836年以前の特許関係の書類が火災により焼失してしまったのです、なんとも残念なことですね。かれが "elastic" と表現していることから何か画期的な曲げ方だったのかも・・・。

彼はアメリカが独立し、フロンティアが西へ西へと進んでいった時代を生きています。その時代のさまざまなアメリカ人が彼の椅子で生活をしたのでしょう、ときには壁にたたきつけられ、また血にまみれることもあったにちがいありません。初期のアメリカの息吹を感じる椅子ですね。材は ash(トネリコ/僕の好きな材のひとつです) と hickory(クルミ科)です。




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