Otto Wagner
(1841-1918, Austria)
Arm chair for the telegraph
office "Die Zeit",1902
Stained, bent beech frame with woven
"Eisengarn" cord seat and upholstered
back section, aluminium fittings and sabots
Wagner's chair and stool designs are exceptional
for their modernity. The aluminium fittings are not
just decorative, but also protect the furniture
where it is most sensitive









トーネットの曲木椅子以降、19世紀後半から20世紀前半にかけてヨーロッパ各地で、工芸と芸術に関する新しい動きが多くみられました。イギリスのアーツ&クラフト運動、フランスのアールヌーボー、オーストリアのウイーン分離派、オランダのデ・スティル、そしてこれらがドイツのワイマールにできた美術学校、バウハウスへとつながっていくのです。まさに現代の芸術、建築、工業すべてを含めたデザインの基礎がこの時期に形づくられたわけです。もちろんこの「64CHAIRS」に登場する多くのデザイナーもこれらの運動に関係し、お互いに影響を及ぼしあっています。

オーストリアの建築家オットー・ワグナーがウイーンの郵便局のためにデザインした椅子です。トーネットの影響を受けているのがわかりますね。アルミの金具は、飾りではなく、ぶつかった時の傷を防ぐためにつけられています。ワグナーは、実用と機能を重視したウイーン分離派の一人ヨーゼフ・ホフマン(右の椅子)の師にあたります。

ウイーン出身だけあって、ワグナーはその顔写真を音楽室に飾ってもおかしくない風貌をしています。いいですね、こんなすてきな椅子がおかれた郵便局。日本では長いすみたいのしかおいてありませんよね。


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